病みあがり

 


土曜の夜から謎の嘔吐の繰り返しで死にそうになりながらなんとか耐え2日経った。

病院に行ってないから本当の原因はわからないけど常温で置いておいた自分で作ったスープが原因かもしれない。そのあと密封性の高いヘッドホンをしたことで三半規管がやられて死亡した。母と電話で何が原因か話してたらそういう結論になった。「自分で作っても何もいいことないな」とボソッと言うと「そんなこと言わないでよぅ…本当は自分で作るのが一番良いんだよ」と言われた。本当はわかってるよ。

 


日曜日は大好きな友達と藝大の学園祭に行く予定だったのに全部だめになった、体調が悪くなったことよりもそっちの方がうんと辛かった。絶対いい夜になってたんだろうなとか考えても哀しくなるだけなのにそんなことばっかり考えながら休日を怠惰に過ごした。

 


寝すぎて頭がぼーっとする。今はベランダの窓際に座っていつもと同じ角度から外の景色をぼんやりと眺めている。今朝は晴れてたけどゆっくりと雨に侵され灰色の街になった。向こうの山並みが見えない。

薄暗いのに明るい。部屋はもう暗いけど電気は付けない。電気見てるとクラクラするんだよね。それで外の光を頼りに本を読む。いや、ふりをした。今は文字を読むより書きたい気分だった。

 


私は自分ちのベランダが好き。

ここは4階建てのアパートの最上階。目の前は大きくて低めの駐車場が広がっているから景色がうんと向こうまで見えて天気がいいと奥にある山並みが見える。風も通るし日差しも入る。都会のキラキラとした景色も憧れるけれど私には多少なりと緑に囲まれていた方が似合ってる。ベランダの脇には引越し祝いに親がプレゼントしてくれたローズマリーの鉢植えが風に揺られてる。目の前には色褪せたビーサン、愛おしい。

雨の日はここに座って雨の音を聞くのが好き。なんて、オーガニック系の人が言いそうだけど、私オーガニック好きだし。育った場所は山に囲まれた山の上だし近くには畑だって棚田だってあったし虫だって昔は触ってたし。

窓をあけて、たまに肌へ雨水が弾ける。少しだけ濡れるの好き。風邪引いちゃいそうな感じが好き。

最近やっとよしもとばななさんの『キッチン』を読み終えたのだけど、私にとってのベランダはよしもとさんにとってのキッチンと同じような場所な気がする。そうおもいました。

 


平成最後とみんな言うけれどいつでも今は最後、

最後の夏の終わりの日記、おしまい。